blog『陰翳』から生まれる美しさ。

 



谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』という随筆。
いわゆるエッセイ本。

『陰翳』から生まれる美しさだったり、奥ゆかしさを
建築・庭・照明・化粧・食器・食べ物・着物など色々な角度から
論じてます。

例えば
漆器の黒、茶、赤の色。
歌舞伎役者や芸者さんの化粧法。
日本家屋の庇の長さ。

読んでみると
『なるほどな。』
と思えることばかり。

朝も夜も、何処へ行っても『明るい』のが当たり前。
部屋は『明るく』て当たり前。
どこに居ても同じ明るさというのが
今の『当たり前』になっているのかもしれないけれど
私はどうも落ち着かないし好きになれません。

だけど、『明るい』からこそ
『暗さ』と比較ができるのかもしれないし
今では味わえない『陰翳』がその時代にはあったことを
うらやましかったりもします。

と、思いきや
『今の方がいいや~』と思えることも正直あります(笑)

この本
約80年位前に書かれたものですが
今読んでも新鮮な一冊です。

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