家族にとって、自分にとって、世界で一番の場所。
心地よくて、くつろげて、いつだって幸せな気持ちになれる場所。
それが、家。

 

家族と過ごす一日も、ひとりでいる時間も、どちらも自分にとって大切なもの。今日を幸せに生きるための、かけがえのない時間です。
北欧のデンマークやノルウェーの人たちは、そんなあたたかくて心地いい空間や時間のことを「ヒュッゲ」という言葉で表現するそうです。

家を建てることは、自分たちの「ヒュッゲ」を探すこと。
そう思うと、ちょっとわくわくしてきます。

 

自分たちのヒュッゲを探して① 自分たちのヒュッゲを探して② 自分たちのヒュッゲを探して③ 自分たちのヒュッゲを探して④ 自分たちのヒュッゲを探して⑤

 

自分たちのヒュッゲを探して①

いつだって幸せな気持ちになれる場所。

それが、家なのだと思う。

そこに暮らす人たちが、なにを大切にしているか、なにを大事に思っているのか。
家を見ると、よくわかります。

家族にとって、自分にとって、世界で一番の場所。
心地よくて、くつろげて、いつだって幸せな気持ちになれる場所。
それが、きっと家なのだと思います。

 

広いキッチンの主役は大きな食卓。
家族みんなで料理をつくって、家族そろって食事をする。

おだやかな光がふり注ぐリビング。
お気に入りのソファに座って、本を読む。

家族と過ごす一日も、ひとりでいる時間も、どちらも自分にとって大切なもの。
今日を幸せに生きるための、かけがえのない時間です。

北欧のデンマークやノルウェーの人たちは、そんなあたたかくて心地いい空間や時間のことを「ヒュッゲ」という言葉で表現するそうです。

その意味はもちろんですが、「ヒュッゲ」という言葉を口にすると、なんだか少しだけ、心が軽やかになるような気がするから不思議です。そして、なぜか少し楽しくなります。

「ヒュッゲ」と口にするたび、自分にとっての「ヒュッゲ」な場所や時間を、知らず知らず想像したり、思い描いたりしているからかもしれません。

あなたにはいま、どんな家族の風景が思い浮かびましたか。
だれと過ごす時間を想像しましたか。

 

もしかしたら、自分たちの「ヒュッゲ」を探すことが、家を建てるきっかけになってもいい。
そんなことを思いながら、私たちは、このシリーズをはじめようと思います。

 

自分たちのヒュッゲを探して②

自分たちの森をつくる。

ヒュッゲという言葉が生まれたデンマークやノルウェーの人々は、自然に寄り添いながら暮らす中で、自分たちにとって心地いいと思えるものを見つけ豊かに暮らす工夫や知恵を育んできたと、聞いたことがあります。

思えば、日本に暮らす私たちも同じです。

身近にある公園で木々を渡る鳥たちの声に耳を澄ませたり、落ち葉の色や咲く花たちに四季の移り変わりを教えてもらったり。
毎日の暮らしの中に自然を感じる時間が少しでもあると、なんだか心が元気に、そしておだやかになるような気がします。

たとえば、そんな公園や森のような場所。
家族が、そして自分がそれぞれの暮らしのリズムを取り戻せる場所が家だとしたら、どんなに幸せなことでしょう。

 

 だから、提案です。

やがて成長する木々を想像しながら、自分たちだけの森を育ててみませんか。
庭にたくさんの木を植えてもいいし、家族が大好きな木を1本だけ植えてもいい。
自分だけの森だから、自由でいいと思うのです。

鉢植えをたくさん並べて鉢植えの森というのもひとつの方法。
レモンやオリーブ、ブルーベリーなど、果樹の鉢植えを並べたら、収穫する楽しさも味わえそうです。

あなたなら、どんな森を育てますか。

 

自分たちのヒュッゲを探して③

 

居心地のいい場所は、椅子の数だけ。

デンマークの人たちは家の中にたくさんの椅子を置いているそうです。
それらの椅子を家の中の好きな場所に置いて、自分が気にいったデザインが違う椅子を、そのときどきで使い分けるのだとか。
同じデザインのものを揃えるのではなく、気にいった椅子を一脚ずつ置くと聞いて、なんてすてきなんだろうと思いました。

家族で食卓を囲む椅子、朝のやさしい光が差し込む窓辺用の椅子、キッチンと廊下の間に置いた一脚は人ではなく花たちのための椅子、季節ごとに色を変える庭を見るためだけにソファを用意したり……。

そこで過ごす時間を想像しながら選んでもいいし、ひとめぼれした椅子を置くために、新しい空間をつくるのも楽しそうです。
もちろん、新品である必要はないので、週末にアンティークショップやフリーマーケットをまわって探すというのもひとつの方法。
購入するのではなく、おじいちゃんやおばあちゃんなど、家族の中で代々、思い出ごと大事に受け継いできた椅子を修理して使うのもすてきです。

お気にいりの一脚を探す時間も、ずっと受け継がれてきた椅子を繕う時間も、やがて、家族の大切な思い出になる。
もしかしたら、いつかそんな思い出を家族みんなで語り合うときのために、私たちは理想の椅子を探したくなるのかもしれません。

お気に入りの椅子を置く。
それだけで心地よくて、くつろげて、いつだって幸せな気持ちになれる場所はできる。
そう思います。

 

 

 

自分たちのヒュッゲを探して④

 

はじまりは、キッチン。

ノルウェーやスウェーデンでは毎週金曜日に家族や友人が集まり、家で料理やお菓子を食べながら過ごすという習慣があるそうです。
食べるということは生きるために必要なことですが、誰と食べるかでおいしい料理がさらにおいしくなるような気がします。

食べるときだけではなく、料理をつくるときも同じです。
大好きな人、大切な人たちが自分がつくった料理やケーキを食べてくれる、その瞬間を想像ながらつくると、それだけで楽しくなります。
そして何より、一緒に料理を食べたり、お茶したりできる人たちがいるって幸せなことだとあらためて感じることができます。

家族みんなでおもてなしの料理をつくる時間も、家族の大切な時間なのではと思うことがあります。
どこのお宅にも「おふくろの味」「家族の一品」があります。
家族みんなで料理する時間は、代々受け継がれてきたレシピや味を子どもたちに伝えていく時間にもなりますね。

家族で囲む食卓も、大切な人たちをお招きする日の食卓も、そのはじまりはキッチンから。ひとりでも使いやすくて、家族が全員集合しても動きやすい。
家族みんなでキッチンに立っている風景を想像しながら、自分たちの家づくりを考える。
それもすてきだなと思います。

 

 

 

自分たちのヒュッゲを探して⑤

 

日常の中にあるちょっとした幸せ、
幸せを感じる瞬間を、家族みんなで書き出してみる。

北欧の人たちがヒュッゲという言葉で表現する、あたたかくて心地いい空間や時間。
自分にとってのヒュッゲを考えるとき、そこにはいつも大切な誰かがいます。
家の中でも、外にいても、どこにいても、大切な人たちと過ごす時間は心地よくて、心も自然におだやかになるような気がします。
もしかしたら、自分にとって大切な人がいることを教えてくれる。それがヒュッゲなのかもしれません。
大切な人が自分にはいる、いつもそばにいてくれる。
そう気づくことができるって、ちょっと幸せなことですね。

ヒュッゲな暮らしが紹介されるとき、キャンドルや間接照明など光の使い方について書かれていることがよくあります。
ひとつの光源で部屋全体を照らすのではなく、温かみのある色の電球やスタンドライトなど、灯りの明るさや高さを自分たちで調整して空間の雰囲気を演出するそうです。

家族ひとりひとりがお気に入りの場所にお気に入りの椅子を置いたり、庭やベランダはもちろん、窓辺に小さな鉢植えのハーブを並べたり。
ちょっとしたことで、家の中のヒュッゲな時間はつくることができます。
桜の開花に春の訪れを感じたり、色づく紅葉に秋の気配を実感したり。
散歩の途中に出会う身近な自然に季節の変化を教えてもらうのも、四季のある日本ならではのヒュッゲな過ごし方。

そこで提案です。
日常の中にあるちょっとした幸せ、幸せを感じる瞬間を、家族で書き出してみませんか。
そのひとつひとつがきっとご家族の、そしてあなたのヒュッゲな時間。
そして、そのリストには、きっとご家族の理想の家づくりのヒントがたくさん隠されているような気がします。